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「素敵なものを見つけたようね。
貴方達は何故争ってるのかしら?
良ければ話を詳しく聞かせて頂けないかしら?
でないと公平な判断は出来ないわ。」
おばぁちゃんは若い漁師に話しかける。
しかし……。
「こいつは絶対渡さねぇ。例えこの身がどうなろうと……。」
そう言う若い漁師の目が赤く輝き顔つきが悪くなった気がする。
若い漁師は5人。
私たちも5人。
いくら戦闘経験がない漁師と言えども、鍛え上げられた体から繰り出される拳で無傷とはいかないだろう。
痛いのは嫌だな。
「若い衆達、様子が変よ。
尋常じゃないわ。
簡単には渡してくれそうには無いわよ。」
やっぱりそうだよね。
するとバルトさんが、おばぁちゃんと若い漁師の間に割って入る。
「おいおい、野次馬がいるってのに物騒な事はやめろよ?
それに、渡したくないならお前らもその棺桶ってのと一緒に来れば良いだろ?
それで、しかるべき対処をして所有権を主張するのが正統ってもんじゃねえのか?」
バルトさんが堂々と、言い放つ。
「その状態でどうやって戦う気なのか気になる所だが、聞いてる余裕はなさそうだ。
な………いざって時があっさり現実になりそうだ。」
気が付くとリオさんがリル姉の装備を見てそう言っていた。
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