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「えへ、任せてください♪
リル・シールドの名、
伊達じゃないですから!」
リル姉は豊満な胸を張ってみせる。
私はこじんまりとした、私の胸に手を当てる。
「何を言ってもこいつを渡すわけにはいかねぇ。
どうしても持って行くって言うなら、おらたちを倒してからにしてしてもらおう!」
若い漁師さんたち、明らかにおかしいよ。
それにあの棺桶、なんだか目が離せない不思議な力を感じる。
「あ、あの……ほんとにダメ、ですか?」
リル姉の言葉が、耳の奥に響き渡る。
「くそっ、穏便に済ますって出来ねえのかよ?
おい、オバサン!
あんたらは見たところ俺と同じで冒険者で良いんだよな?
ちょいと周りに被害が出ねぇように手を貸してくれねぇか?」
バルトさんがおばぁちゃんに言うと戦斧に手をかける。
「棺桶に近づくもの皆、あの様になるとしたら危ないわね。
下手には近寄れないわよ。
しかも、一般人相手に武器を使うのは気が引けるわ。
かといって棺桶を手に入れないことにはこの状況悪化しかねないし。
困ったものね。」
おばぁちゃんはそう呟くと、若い漁師に向き直り、
「貴方達の手におえるものではないわよ。
それを手に入れてどうするおつもり?」
と声を張り上げる。
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