第1章 棺

15/36
前へ
/108ページ
次へ
「分かった。 余り時間もかけられない、力加減しつつ全力で片付けよう。」 リオさんがおばぁちゃんの意見を承諾し、メイスを取り出した。 すると脇から短剣を持った男の子が飛び出した。 それに続けとばかりに、バルトさん、おばぁちゃん、リオさん、リルさんも飛び出す。 おばぁちゃんは棺桶を目指して進んで行った。 若い漁師5人が立ちふさがる。 おばぁちゃんは最初の一人に妨害されてしまう。 脇から男の子が短刀で漁師に切りかかるも、残念ながらはずれ。 「若い衆や棺桶は一体何なのかしら? こんなの見たことも聞いたこともないわ。 まだまだ世界は広いってことね。」 おばぁちゃんが呟いた。 「おばあちゃん。 気を確かに。 きっとあの棺桶、お化けなんだよ。 知らない方が幸せっていうこともあるよ。」 私はじっと見ていたけど、つい大声を張り上げてしまった。 「何言ってんだい! 敵を知れば、対処がわかる。 戦闘が有利になるって事さね。 お化けだろうが、悪さをするなら相手をしにゃならん。 冒険者やるならアマチョロい考えは捨てるんだね。 じゃなきゃ死ぬかも知れないよ。 あんたの人生はまだまだこれからじゃないか。」
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加