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「あの、席をお探しでしたらあちらが空きましたので、ご案内いたしますよ。」
私はなんとなく同年代の同性の冒険者を見てほっとする。
「ふぇ、良いの?」
「はい、どうぞこちらへ。」
いましがた片づけを終えた円卓へと案内する。
「ご注文が決まりましたら、お声掛けくださいね。」
かわいいと言うよりは美しいという言葉が似合う彼女。
何処となく大人の雰囲気が漂っているからかな?
ちょっと憧れるな。
カランカラン
「はぁい、いらっしゃいませ。」
また一人お客さんが入ってきた。
店の中は、人でごった返している。
そんな中、うれしい悲鳴を上げているのだ。
入ってきたのは、黒の肩上まであるセミロングを襟足で束ねている男性。
前髪は目にかかる程長く右に流していた。
鋭い赤眼で身長170cm前半、細身だけど少々筋肉質。
服装は暗い色で統一されていた。
「すまないが、部屋を1つ借りたい。」
いきなり話してきたその青年に、私はすぐに反応できなかった。
「どうした? ここは宿屋ではないのか?」
「え、ああ、はい。宿屋ですよ。
宿のご用命ですね。
カウンターで承っていますので、そちらにお願いできますか?」
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