寂しい夜

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 仕事が一段落すると、大体居酒屋やラーメン屋など、その時に思いついたところに晩飯を食いに行くが、この間の子に会いたかったため、1度家に帰ってシャワーを浴び、夏だから良いかなとTシャツに黒のパンツで家を出る。  店は8時から。 「後一時間半もある……」  家から出て店の方へ車で行き、近くの居酒屋で晩御飯的に食べてから店に行く。 「いらっしゃいませー」  黙って頷くだけで、カウンターに座らされ酒など用意される。  最初にふらっと入った店がラウンジと書いてあったので、高いのかなと思ったらワンセットならばそれほどでも無く、カラオケも付いていることから暫くはここに来ようと決めてきてはいたが、まさか1回行っただけで顔と名前を覚えられているとは思わなかった。 「いらっしゃい、えっと……」  付いたのはお目当ての子。焼酎ボトルにかけてある札を指さすと、それを見て「言ってくれたらいいのにー」と可愛い笑顔でこちらを見る。
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