寂しい夜

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「見た方が早いかなと思って」 「でも、話そうよ。あ、私も何か頂いていい?」 「好きなのどうぞ」  普段から怒った顔をしていると言われているので、ついぶっきらぼうに言ってしまったが、今お客さんが少なく、女の子はキャッチに行っている状態。話せるのは今しかないと思い、乾杯と言う彼女に合わせてグラスを重ねる。 「ねーねー、裕哉くんて、ゆうや?ひろや?どっちなの?」 「ゆうやの方」 「そうなんだぁ。身長も高いね……何センチ?」 「185……」 「高ーい!私160センチないんだぁ。高いからモテるでしょ?」 「いや!それは関係無い」 「裕哉君て何だかクールなんだね。ユキそんな感じの人好きー」 「…………」 「あ、連絡先交換しようよ!」 「いいよ」  交換後はやった!と心では思っていたが、中々楽しい会話に発展していかない。 自分が積極的に話すほうではないからかも知れないが、話す時もあまり下らない話しはしないようにしていたため、人からは冷たいとよく言われていた。
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