寂しい夜

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 秋と言ってもあまり涼しくならず、11月に入ってから急に寒くなり出した頃。いつもの様に開店から閉店まで。お腹が空けばユキちゃん以外の女の子と店で出前をとって食べるのも嫌だったので、席はそのままに外出して戻ってくることも増えてきていた。  店の女の子の中では、笑わない喋らない、カラオケだけはする裕哉君と勝手にイメージだけが付き、毎日お金だけが飛んでいく日々に変わってしまった……  11月半ば過ぎ、ちょっと控えようかな?と思っていた矢先、店の扉が開き、ママや女の子達が「いらっしゃいませー!あ、里ちゃんご来店でーす」とみんなが口々に言う。  その人が座った席が一つ隣。 「里ちゃんどうする?」とママが聞けば、「飲んで来たから焼酎で」と無駄に元気な人だった。
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