宅急便に想いを込めて

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現在朝の6時半、朝日が眩しい。…そんな中私は絶賛品出し中。 「疲れた…もう嫌だ」 季節は秋、紅葉シーズンの観光地の土産屋は大パニック。早出残業の連続だ。 観光地の菓子店に勤め始めて一年目の私は、観光シーズンを舐めていた。次から次へと観光客が入ってきて、レジは並ぶし品出しは終わらないし、お釣りは無くなるし。とにかく人手も足りなくて、社長や専務までがレジに入っている。 わぁわぁと騒がしい店内は、某アトラクションパークのお土産売り場並みに混んでいる。 「ねぇ!あっちのお菓子もうないの?!」 「試食ちょうだい!」 「早く会計してくれ!バスが行っちまうだろ!」 「トイレットペーパーがないのよ!」 「も、申し訳ありません!少々お待ちください!」 私は聖徳太子じゃないから、一度に何人もの話しなんて聞けない。しかもあなた達レジに並んでないでしょ!とりあえず並んでる人達のお会計が先!
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