喫茶店

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「たいてい4つの動画を繋げるんやけどな。1個の動画を撮るやん。で2個目の動画を撮る。そうっ、ここ!!この時点で「あれ?1個目の動画違うな」って思っても、もうダメなんよ。2個目の動画を含めて全部消す、または3個目の動画を撮るしかないねん。・・・でも人ってこういうことやん?」 4本の爪楊枝のうち3本を使って「人」という字を作る。余った一本は、置く場所に困った挙句、「人」の隣に添えて「一人」という文字を作る。ウンウンと満足そうに頷く意味が私には分からない。 「はぁ・・・暑いなぁ・・・」 再び窓から外を見てラッキーは言った。 「やっぱおかしいと思うわぁ。暑いもん。確実に。例年より、前年度より。なんで世間は騒いでないん?もしかしておっちゃんだけなん?この異常事態に気付いているの?なに?洗脳されているん?地球生命体的な何かに寄生されているん?・・・ってそんなんいるわけないやろー!」 いや、あんたも十分に「地球生命体的な何か」に近いでしょ。気づけば私はイヤフォン越しに聞こえるラッキーの声に心の中で反応してしまっている。 でもダメだ。ここでツッコんだらますますこのぬいぐるみは喋り出すに違いない。相手にしないのが一番だ。 「しっかし暑い。やっぱり暑い。いやこれはもう・・・「あちゅい」やで。「あちゅい」。・・・てか、待って。」 ハッ、と口元を抑える。 「今気づいたんやけど「むっちゃあちゅい」ってむっちゃ言いにくいで。うん・・・それくらい暑いわぁ。絶対暑いと思うんやどなぁ。去年よりも。」 そこでラッキーはだまりこくった。 「でもな」 そう言いながら、神妙な顔で机の上を見ている。
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