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「で、なんでまたいるの?」
私はラッキーに尋ねる。
「ええやん。暇なんやし。」
「私は暇じゃないんだけど。レポートあるし。」
「じゃあ、レポートやっててええで。おっちゃんはここで一人ジャンケン延長戦の続きしとるから。」
そう言いながら「あいこで・・・しょいっ」「あいこで・・・しょいっ」「あいこで・・・しょいっ」と一人で不毛なやり取りをしている。
そんなラッキーを無視し、私はパソコンを叩き始める。しばらくレポートを進め、ふとベットを見ると、ラッキーはぼんやりと外を見ていた。
「何してんの?」
「あぁ。昔のこと思い出しとったわ。」
ラッキーは小さくつぶやいている。
「昔のことを、な。」
そのキザな言い方が癪に触り、私はラッキの頭をモフモフと握りしめた。
「やめろや!おっちゃんのデリケートな部分やでそこ!」
騒ぐラッキーを見ながら、先ほど彼が言いかけた過去とは何だろうかと思いを馳せる。
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