ラッキーの過去

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「この世には確かなことなんて何一つないないんだ。お前の時計も然り。そもそもこの世の時間は、相対的にはどんどん短くなっていくんだぜ。分かるか?お前に足りないも・・・・はぁ???????」 突如、大声をあげた斉藤は、久利生とは逆の方向の耳につけていたイヤフォンを取り外す。 そしてポケットから数枚の紙切れ取り出すとビリビリと破り始めた。どうやら競馬に負けてしまったらしい。 「くっそおおお、絶対鉄板だったじゃん。これは間違いなく当たるって言ってたじゃん・・」 新聞をまるめて机を思いっきり叩きながら、先ほどまでとは打って変わって情けない声をあげる。 「2番は鉄板だったんだよぉ。それなのにスタートで遅れたから全てに遅れが出てしまった。最後の最後で取りもどせなかあった。畜生、スタートのズレさえなければ。」 途端、斉藤はカバっと顔を上げる。「そうか。」と目を開いた。 「謎は全て解けた。」 「はぁ?」 いったい、どのタイミングで「謎なるもの」が提起されたのだろうと久利生はいぶかしんだ。 問題はわかりやすい。お前が仕事に出向くか出向かないかだろうと。 「良いか。俺はいつも12時に飯を食うのが日課だ。場所は食堂のBランチ。蕎麦に唐揚げに、ミニサラダ。炭水化物ダイエットしているからな。いつもこれだ。」 「それが何か?」 自分でも驚くほど冷たい声で久利生は答える。
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