9人が本棚に入れています
本棚に追加
「先輩、それ肩凝らないっすか?」
後輩は俺の胸元を指差した。
「つか、赤と黒のボールペンにシャーペンと三本つけるくらいなら、二色ボールペンにシャーペンついてるやつにしたらよくないっすか?」
後輩は首からぶら下げた社員証の入ったネームホルダーのヒモに引っかけている、三本の筆記用具に興味を示した。
「学生の頃から使ってるゲルインクのこのボールペンが気に入ってんだよ。」
「へー、赤ペン先生みたいっすよね。」
「だったら、早く俺に赤を入れさせられないようになれ。」
俺はため息混じりに呟いた。
「へ・・・?」
「ったく、お前いつまで俺に赤ペン先生させる気だ?」
「えーと、あともう数ヶ月は・・・」
「アホか!早く誤字脱字、言い回しじゃなく、内容で俺を唸らせてみろ。」
後輩はションボリと尾の垂れた犬のように静かになった
最初のコメントを投稿しよう!