大体こんなことのくりかえし。ーとある配達員の長い一日ー

7/18
前へ
/18ページ
次へ
「……一生懸命なひとですね」  有川を見送りながら夕がそう言うと、水嶋が頷いた。 「まあねーありがたいよ。ーー羽篠くんはこっちよろしく」  小さな台車に乗せた荷物を渡される。箱みかんや米、ペットボトルの水などの『サイズの割りには重い』ものばかりだ。 「ごめんね、有川さんより重いのばっかで」 「当然っすよ」  男だもの。  荷物を受け取ると、さっそく台車を押して、バランスを取りながら走り出した。  さあ急げ。  『午前中』が終わるまで、あと二十八分。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加