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「……一生懸命なひとですね」
有川を見送りながら夕がそう言うと、水嶋が頷いた。
「まあねーありがたいよ。ーー羽篠くんはこっちよろしく」
小さな台車に乗せた荷物を渡される。箱みかんや米、ペットボトルの水などの『サイズの割りには重い』ものばかりだ。
「ごめんね、有川さんより重いのばっかで」
「当然っすよ」
男だもの。
荷物を受け取ると、さっそく台車を押して、バランスを取りながら走り出した。
さあ急げ。
『午前中』が終わるまで、あと二十八分。
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