子守はいやだ

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今年大学2年になった俺は夏のアルバイトで姉の子である圭太を子守することにした。 姉の子はちょうど3歳でしっかりと話す事が出来る子だった。 姉はにやにやと笑いながら俺に言う。 「ねえ、英二本当にあんたに子守できんのかな。一日見てくれたら、そうね、これ位は出すわよ」と言うと右手の人差し指を一本立てる。 俺は残念な顔をしながら言う。 「姉貴、俺一日千円じゃ見れないぜ。そんなバイトは嫌だね」姉の紀子は顔を横に振りながらいう。 「もうあんた。何言ってんのよ。この単位は千じゃないのよ。一万円だよ。一万円じゃあ不服なの」と言うと俺の反応を見ている。 俺は一万円と聞いて顔がにやけて来た。 「一日子供の面倒を見る代わりに、一万円か。それは悪くないね。よし引き受けよう」俺は子供の相手なんて軽いものだとたかをくくっていた。
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