ピュアイノセント

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 ローザはとても純真で素直な子供だと近所で評判だった。 「ねえ、パパの言ういい事って変じゃない?」 「どうしたんだい、ローザ。パパはいつも言ってるじゃないか、弱い人に優しく、困っている人の手を掴んで上げて助けてあげる。また他の人に傷つくような言葉や暴力はいけないって」    明るい茶髪に微笑ましいウェーブがかかったローザは、腕組みをして不満顔だ。 「うーん。だって、いい事ってのは自分で好きにやっちゃう事なの?」「そうだ、そういう風に人間は生まれ育っていくんだ」  ローザの父親は娘の成長ぶりに感激した。 「なら、他の人を言葉や拳で傷つかせて、弱らせた所で厳しくして、掴まれた手を離して、底のない落とし穴に落とすのがいいんだね」 「いったいどうしたんだ、ローザ。なんでそんな事言うんだ」    ローザは大変すっきりした顔で父に語る。  「え、だってみんないい事だから、率先してやってるんじゃないの。パパが言ってる事やってる人見たことないもん」
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