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この家に来て5日が過ぎた。 あれから水も食料も何も口にしていないが、私の気分はまずまずだった。 もう空腹と言う概念はなくなり、激しい喉の渇きも感覚が薄れてきていた。 トイレだけは我慢できずにしてしまうが、女性が用意した猫用トイレシートの上ではなく、ベッド、ソファ、座布団の上と、ことごとく後始末の大変なところで済ませている。 あぁ、私の命とこの女性の忍耐、どちらが早くに限界をむかえるのだろうか。 私は、後者であれば尚良しと思っている。 前者であれば、私の死体の始末に手間を掛けさせてしまうからだ。 今の私の生きがいは、この「掛け」だ。 こんな生きがいを持った猫も私くらいのものだろう。 生まれてからの散々な人生経験をしてきたにしても、我ながらひねくれきっていると思う。 しかし、それでいいのだ。 私は、早この部屋から出て、この世界から居なくなりたいのだ。
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