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聡美はわりと優柔不断で、
その心は、若い奴のほうへ行ったり、僕のほうへ戻ったり。
揺れ動いていた感じで…。
僕はと言えば、
我ながら情けないことに、
「聡美から、いつ別れを切り出されるか」「いつ捨てられてしまうか」と内心ビクビクして過ごすようになっていった。
そしてその情けなさを彼女に悟られたくなくて、
より一層頑張って働いた。
頑張り過ぎて、
発熱してしまった事も何度かあったよ…けれど、
少し休んだら、また頑張れた。
頑張れば、
聡美の気持ちは、また僕だけに向いてくれる!
そう期待しながら。
けれどそんな僕に、
昨夜彼女は言い放ったのだ。
「使えないヤツ」と。
僕の頑張りを見れば見るほど、
「イライラするわっ!」と。
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