傾国の女の最期

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魔王の側近は、少女を一瞥すると「間違いなく本物」だと告げた。 驚く勇者一行に、側近は皮肉な笑みを浮かべて、傾国の女のことを話し始めた。 ある日、お忍びで人間界に行っていた魔王が、大木に縛られ虫の息だった人間の子供を拾ってきたらしい。 長らく人間界では日照りが続いていたため、恐らくその子供は生贄だったのだろう。 魔王は気紛れで拾った人間の子をまるでペットのように可愛がった。 しかし、その子は感情が極端に乏しく、魔王が何をしても泣きも笑いもしなかったそうだ。
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