一の福

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伝票を取りまとめると、思わずため息が出た。 もうここまで末期症状なら、思い切って合コンでも行って、他の男を探そうかな。 できもしないとわかっていながら、表の思考は逃避に走る。 と、後ろで倉庫のドアが開く音がした。 「真緒、お疲れ」 爽やかに(私にはそう見える)声をかけてきたのは、私を悩ませる張本人だ。 「〇〇フーズの貨物、送り状と個数が違うらしくて、確認に来たんだ」 「……そう」 どうしてそんなに、普通でいられるの。 ちょっと腹が立ってきていた私は、そっけなく返して、伝票の束を持った。 「……あれ? 何か、元気がない?」 ひょい、と顔をのぞきこまれて、私はその近さにのけぞりそうになった。 「今朝から、変だなとは思ってたんだけど」 はあ? 変だなと思っていただと!?
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