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「ああ、龍馬ちゃん。
この方は薩摩藩の西郷隆盛君ですよ」
両手で顔を覆い、チラチラと指の隙間から隆盛君を見つめる龍馬ちゃんに、中岡君が苦笑いしながら説明をする。
「隆盛君っ?
きゃあ、かっこいい!」
龍馬ちゃんが、元々赤い頬をさらに紅潮させながら、隆盛君の顔を覗き込む。
「龍馬ちゃんて、坂本龍馬だよな?
男だとばかり思っていたよ。
こんな可愛い女子(おなご)だったとは…」
「ええっ。そんな事ないよぉ~
龍馬、嬉しい♪」
隆盛君の言葉に、龍馬ちゃんが顎の下で両手を組み、上目遣いで答える。
「龍馬ちゃん。
隆盛君……ではなく、タカ君と呼んで欲しい」
こんな恥ずかしいセリフでさえも照れずに言う男、それが薩摩藩の西郷隆盛であった。
薩摩藩は、幕府を脅かす程の力を持っている。
「タカ君ね。
これからそう呼ばせてもらうねっ♪」
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