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「誠意とは、どういうことだ!
薩摩藩にも、長州と同盟を結ぶことに反対する奴は多い。
なぜ俺が誠意を見せなくてはならない!
長州征伐してやるぞ!」
隆盛君が、小五郎君に向かって不満を爆発させた
小五郎君も、今更後には引けないようで、
「とにかく、誠意を見せろ!!」
と同じ台詞を繰り返す。
再びループが起きるのかと思われたその瞬間、中岡君が声を上げた。
「馬鹿か?お前らは馬鹿か!
お前らの我儘を聞いている場合じゃねぇんだよ!!!
同盟を急がなくては…京都見廻組と思われる者達が外を彷徨(うろつ)いているのです!」
中岡君の言葉に、隆盛君がハッと目を見開いた。
隆盛君と小五郎君は、龍馬ちゃんが命を狙われている中、自分たちが喧嘩をしている場合ではないと考え直した様である。
「「龍馬ちゃんの為に!」」
小五郎君と隆盛君が声を揃えた。
それを黙って聞いていた龍馬ちゃんが、首を横に振る。
「桂ちゃん、タカ君。
それは違うよ。
あのね、龍馬の為じゃなく、日本の為に、薩長が力をあわせるんだよっ」
龍馬ちゃんの言葉がズシンと胸に響き、隆盛君と小五郎君は、目を合わせた。
「龍馬ちゃん、俺らに怒ってない?」隆盛君が不安げな顔で、龍馬ちゃんに確認する。
「怒ってるわけないじゃん!
龍馬、タカ君も桂ちゃんもだーい好きっ♪」
その言葉に、ホッとした隆盛君と小五郎君は、龍馬ちゃん仲介のもと、薩長同盟を締結した。
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