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いきり立った侵略者らは、不要になった篝火を蹴倒し名乗りを上げながら一斉に大男の下へと攻め込んでくる。
「我こそは桃太郎也!」
「我こそが桃太郎じゃ!」
「何を言う、鬼の首を取ったものこそが桃太郎じゃ!」
我先にと大男の首を狙って駆け寄る無数の侵略者と鳥獣の群れ。
ここに居てはまずいと思い、大男は急ぎ洞穴を駆け離れる。
……一歩でも引けば子や女房に手が伸びる。
大男は心を奮い立たせ、拠点を背に侵略者共に討って出た。
「どんなに徒労を組もうとも、所詮脆弱な者共!一人残らず滅してくれる!」
大男はその巨躯を駆り、猪のように侵略者の軍勢に突っ込んだ。
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