怪しげな商品

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怪しげな商品

靴ひもは靴の並んだ棚の横に並んでいた。 リサイクルショップとはいえ、消耗品などは新品だ。ただ、型は古い。 「靴ひもですね。ありがとうございます。新しい靴もありますが、いかがですか? きっとお似合いになると思いますよ」 そのノリはハンバーガーショップのようだ。 「いや、これだけでいいです」妙な緊張を覚えて応える。 100円の靴ひもを買って、その場で付け替える。 切れたほうだけ換えようかと思ったが、バランスが悪くなるので左右共に換えた。 手間取ってしまったと思い、店に並んだ時計の時刻を確認する。 ちなみに腕時計は付けないタイプだ。どこかで時刻を知りたければ、スマホを見れば済む。 ほとんどの時計は10時10分に固定されていて時を刻んではいなかったが、 いくつかの時計はリアルタイムを表示していた。 次のバスが来るまで20分あった。 とりあえず10分は店内で時間を潰そう。 兜はそう決めると、店内に並んだ怪しげな商品を見て歩く。
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