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「うぎゃっー」
間一髪田之上は電車にひかれるのを免れた
あと一歩で無惨なれき死体になるところだった
「俺はなんでこんなところで寝ていたんだ」
田之上は一人つぶやきながら立ち上がった
そうここは北武線のY駅の線路の上なのだ
田之上をひきそうになった電車の運転士が急ブレーキをかけた電車からおりてきて田之上に
「お客さんこんなところで寝ていて死にたいんですか」
といさめた
田之上は目眩がする頭を左右にふりながら
「俺も好き好んでこんな場所でねてたんじゃない、じゃあどうして」
田之上は一人考えこんだ
運転士は「こんな始発電車からトラブル起こされたんじゃたまりませんよ」
そうか始発なんだ田之上は心のなかで思った
「兎に角ホームに上がってください」
と運転士は田之上にいって手を差しのべた
そうしたなか駅員によって通報された巡査が二人検分にきた
巡査の一人は「あなたなんで線路に寝てたの」と聞く
田之上は「俺にもわけがわかりませんよ、目が覚めたらこんな状態で死ぬかとおもいましたね」
「自分から線路に降りたんじゃないんだね」
「当たり前ですよ俺には死ななきゃいけない理由なんかないんです」
「ところでお仕事は何を」
「俺は内科医ですT市で開業医をしてます」
「お医者さんでしたか」
そこへ捜査一課の花屋敷博史警部が到着した、あらかた巡査から説明をうけ田之上に聞く
「じぶんで線路に降りたのでなければ誰かに運ばれたんでしょう、そんなことをする人に心当りはありませんか」
(御厨………)そう田之上の脳裏を支配した
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