真夜中の訪問者

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「ヒッ」  本当に驚き、恐怖を覚えた時には人間。  声にならない小さな悲鳴を上げることしか出来ない。  私は今。  何故、目を開けてしまったのかと猛烈に後悔している。  時としてはたった数秒前のこと。  夢すらも見ることなく、熟睡していたところを微かに感じる気配に、徐々に意識が呼び起こされる。  深い眠りの底から覚醒していくにつれ、頬に感じる妙な感触が段々とはっきりと感じられるようになってきた。  それでも、自分はこの時。  目を瞑ったまま我慢をすべきであった。  サワサワサワサワとくすぐるような肌触り。  もしかして、誰かいる?  まさか夜這い?  首筋へと移動するこそばゆい感覚に眉をしかめるが、それはUターンでもするかのように再び頬へと向けて移動していく。
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