10人が本棚に入れています
本棚に追加
「Pさん嬉しそうでしたね!でも、すごいっすね!あれは選ばれるためのコツっすか?」
「なんでもないよ。ただ、黙って待っていれば選ばれそうな気がしたんだよ」
「じゃあ俺のときもお願いしてもいいっすか?!」
「いいよ。でも、うまく行くとは限らないよ」
「いいっすよ~!俺はのんびりでいいっすから!でも、Blさんは今の自分に使わないんっすか?」
「試したことないね」
「やってみましょうよ!次のお客様でやってみませんか?!」
僕はあまり乗り気ではなかったが、彼が強く押すので試してみることにはした。
しかし、いざそうなると肝心のお客様が来ない。
気がつけば夕方になっていた。
「今日はもう来ないっすかね~」
「どうだろうね。一段と今日はお客様が来なかったね」
そんな時に1人のお客様が来た。
学校の制服を来た男子生徒、高校生くらいだ。
「あの人いいっすね…。あー、でも!今回はBlさんの番っすから!さっきの試して下さい!」
「そうだね。やってみるよ」
僕はさっきと同じ様に言葉にせずに唱えた。
どうか隣りのBrくんを選んで下さい、と。
すると彼はこちらに向かって来た。
「来た!来た来た!来ましたよ!Blさん!」
そして彼が手を伸ばし手にしたのはBrくん。
「え、俺…?なんで?もしかして!Blさん!ダメっすよ!自分の事を考えないと!」
「いいんだよ、これで。さあ、いってらっしゃい」
「そんな……。外で待ってますからね!いつかまた!会って…下さいね!」
少し震えた声で僕に訴えてくる。
「ええ。いつか…。またどこかで」
Brくんは男子高生と共にこの店を去って行く。
僕はBrくんが選ばれたことが何よりも嬉しく思えた。
そう思った矢先、僕はハッとした。
最初のコメントを投稿しよう!