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おじいちゃんのメガネが言っていた言葉の意味に気づいた。
今回も僕は、Pさんが選ばれ、Brくんが選ばれて僕はホッとしていた。
メガネの幸せは人様に使われることかもしれない。
でも、僕は違ったんだ。
どうして理想の使い手を思い描けないのか。
それは僕がこのお店に残ることを望んでいるからだ。
誰にも使われないことが、僕の喜びだったのだ。
僕の力を必要とせずに、人様に外の景色を見て欲しい。
僕はお客様に選ばれていない自分を、僕を必要としていない人様を見ることで幸せを感じていたのだ。
「気づいたよ。僕はここにいることが幸せなんだ。だから、ずっと見守って行くよ。他のメガネが選ばれ君のように旅立つ姿を…」
聞こえていないと分かっていながらも、僕は旅立つBrくんに向けて呟いた。
僕は商品番号Bl0118。黒色、スクエア型、コンビフレームでナイロールのメガネ。
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