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「…何か、すいません」
「いや、良いんだ。誰かに話すことで気分が晴れるときだってあるからね」
次の日も、忠己による少女の心のケアは続いていた。
「ねぇ、落ち着ける場所に行かない?」
「……う…ん…」
「!?」
少女は頷いた。そして小さな声で返事もしたのを、忠己はしっかり聞いていた。
「それじゃ、行こっか」
少女と忠己が向かったのは、緑が豊かな公園だった。
忠己は少女の座る車椅子を止め。
「…僕、実は妹がいてね。君といろいろ似てるんだ…」
「……」
「急に、知らないおじさんが君に付きまとって何だって思ってるかもしれないけど…」
忠己は少女の目をしっかりと見つめ。
「ハッキリ言う、君を守らせてくれ!」
「あ…あり…が…と…う…」
少女はまた小さな声で言った。
心地よい風が、 立ち直ろうとする少女と、助けたいと思う忠己を応援するように包んだ。
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