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「えっと……ネットの中から戻ってきた……の?」
僕から見ると、
行ってきまーす→目を瞑ってウトウト……→目パチッ!ただいまー!
なので、いまひとつ嵐さんがダイブしてたんだって実感がないのだ。
「う、うん。行ってきた。”マルコ”と”ポーロ”の意味わかったよ。あ、あのね、あれは外国の子供の遊びだった。プールの中でする鬼ごっこで、鬼が『マルコ』って言ったら、逃げる方が『ポーロ』って答えるのがルールなんだって。キーちゃんち、お父さんがアメリカの方だから、それで知ってるのかも」
またも真横を向いて僕を見ない嵐さんだけど、謎だったマルコ、ポーロの意味を教えてくれた。
「そうだったんだ……てコトは、キーマンさんがクマに向かって『マルコー』って言ってたのは、鬼は自分でバッドベアーを見つけ出すぞ、追い込みかけるぞって意味だったのね……なんか陽気な感じに聞こえたけど、そう考えるとちょっとコワイ」
「だ、だよねぇ。キーちゃん、普段は優しいけど……ああ見えて怒るとコワイから……」
「え? そうなの? キーマンさんが怒るとか想像つかない。てか怒った時もあの口調?」
「う、うん、それは崩れない」
そ、そうなんだ。
あのキーマン節でガチギレってどんな感じなんだろ?
それって怖いのかな?
あんまり怖くなさそうな気がする……それよりも、僕は嵐さんに聞きたいコトがいっぱいあった。
「ねぇねぇ、聞いてもいいかな! ネットの中ってどうやって入るの? 入るようになったキッカケは? 中はどんな感じ? それから嵐さんの目に霊はどんな風に映るの? ネットにダイブ以外はどんなスキルを持ってる? それから、それから」
「え、そ、そんなにいっぱい、ど、どうしよ、なにから答えたらいいかな、」
とまあ、嵐さんが若干引く程ガッツイてしまった。
だって、気ーにーなーるーしー!
キーマンさんは今のところ「マルコー」と言って探索中だし、そのキーマンさんは僕達にレモネードでも飲んでいろって言ってた訳だし。
「ス、スキルのコト、お互い話した方がいいよね。こ、これからまた、ツ、ツーマンセルとか組むかもしれないし」
「そうだよ! 僕も話すし、嵐さんも教えて!」
この現世にネットの中にダイブの出来る生者。
そんな人、一体何人いるんだろう?
僕の予想ではたぶん嵐さん一人なんじゃないかな?
「す、すごく簡単だよ。霊力者でコツさえ掴めば、だ、誰にでも出来ると思う。は、入り方はね、」
嵐さんは、それからゆっくりとネットダイブについて教えてくれた。
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