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「あっ! いたーーーっ! やっと見つけたーーーっ!」
突然、遠くの方から声が聞こえて、びっくりして固まるボクと、「あのバカ」と呟くジャッキーさんと……ボク達はその方向に目をやったんだ。
見ると、紫の袴を着た巫女さんが、こちらに向かって走ってくる所だったんだけど、どこかで見たことがあるキャラだなって思ってたら……
「なんでオマエが来るんだよっ!」
ボク達の所まで来た巫女さんにジャッキーさんが怒ったんだ。
「いーじゃんか! ウチの可愛い新入社員が迷子になってるんだ。先輩として迎えに行くのは当たり前だろ?」
そ、その巫女さんは、ジャッキーさんに怒られてもぜんぜんへこたれなくて、ボクに向かって「嵐ちゃーん!」って両手をふってくれたの……こ、このキャラ……もしかして、
「なぁ、オマエは子供か? なんですぐに後を追ってくるんだよ。 嵐くんは自分と社長でなんとかすると言ったじゃないか。明日もオマエ現場なのに、寝不足でヘマしたらオマエが危ないんだぞ? あーもーバカかよ!」
ジャッキーさんが巫女さんに詰め寄ると、巫女さんはジャッキーさんをバシバシ叩いて、
「徹夜で現場なんて飲みに行ってりゃしょっちゅうだ、そんなに騒ぐなよ。アンタは嵐ちゃんを守るために敵と戦うのが仕事。だけどダメージ食らって回復すんのにアイテムには数の限りがあるだろ? アタシの仕事は傷付いたアンタを回復させるコトだ。レベル99のヒーラー舐めんなよ?」
そう威張ってみせた巫女さんは、長い黒髪に背中に日本刀を背負ってて……
「……はぁぁ、ああ言えばこう言うだ。まぁ、来ちゃったモノは仕方がないか……その代わり、ある程度の時間になったら帰らせる。わかったか? 弥生」
「はーい!」
やっぱり……弥生さんだったんだ。
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