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「なるほどな。要は、俺達といて楽しかった。また一緒に遊びてぇ。でも赤面症がジャマしてリアルじゃ遊べねぇかもしれねぇ。じゃあこのままネットの世界にいた方がいいって思ったのか」
社長は地面にコロンコロンしてるのに……核心をついてきたんだ。
「あ……えっと……それだけじゃないけど……でも……はい……大体あってます、ごめんなさい」
ボ、ボク、頭の中はグルグルで、考えるコトが多過ぎて、どうしたらいいかわからなくて……すっごい悩んでいるのに……
こ、こんなふうに短くまとめられると……あれ? たったこれだけのコトだった? って……気が付けたの。
そうだ、ボクは……ただ、みんなと一緒にいたかったんだ。
「俺は単純だからよ、みんなでネットゲームして楽しかった。じゃあまたやろうぜ! ってだけの話だと思うんだがな。違うか? それによ、リアルでツラ合わせて、顔が赤くなって緊張すんのがヤダってんなら、顔を見せなきゃいいじゃねぇか。ウチな、親父が元プロレスラーなんだ。なんだったら覆面マスク持ってきてやろうか? 親父は覆面レスラーじゃなかったけど、一時、対戦相手のマスク狩りばっかやってたんだ。奪ったマスクは親父のコレクションになってるが、一枚くらいなくなったってわかりゃしねぇだろ」
「え……っと、もしかして、その覆面をボクがかぶるってコト……ですか……? そ、それなら顔、見られなくてすむかも……で、でも! お父さんの大事な覆面コレクション、持ち出しちゃダメですよ。汚したら大変、」
「あぁ? 汚すの心配してんのか。大丈夫だ、なんせ元から血で汚れてるからよ」
ち、血で汚れてる……!?
壮絶な試合だったんだろうな……ちょっとコワイ。
で、でも、社長の気持ちはすごく嬉しい。
起き上がるのをとっくに諦めてる社長は、寝っ転がったままこう言った。
「リアルに帰ったら、覆面貸してやるから、嵐かジャッキーの家に集まるか。ゲームして遊ぼうぜ! あ、キーマンも呼んでやろ! ……って、嵐はまだキーマンと会ったコトねぇよな。すっげーおもしれぇヤツだから楽しみにしとけ!」
「……あ…………はい、」
す、すごい……信じられない……!
ボクかジャッキーさんの家に集まる……?
みんなでゲームをする……?
次の約束ってコトだよね……?
みんなで会う為の約束……!
ボク抜きじゃなくて、ボクも一緒に……!
「ちょっとー! アタシも一緒に遊びたいんだけどっ! つかさー誠はゲーム出来ないじゃん!」
「へっ! 言ってろよ! 次集まる時は華麗に操作してやるから!」
社長と弥生さんの口喧嘩が始まって、フーちゃんははしゃぐようにボクにまとわりついた。
ジャッキーさんは……あれ……? どうしたんだ……?
一人だけで離れた場所にいってしまった。
何をしてるんだろう……?
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