第十八章 霊媒師 深渡瀬 嵐(ふかわたせ らん)

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さてと、これからどうしよう。 バッドベアー(やんちゃなクマ)と話が出来ればベストだけど、あの感じじゃあ、まともな話は無理じゃないか……? 本当は、斎藤様を苦しめるのはもうやめにしてくれと頼みたいのに。 その前に、まさに今、僕らが苦しめられちゃってますよ。 むぅ……なんて頭を抱えていた時だった。 「あ、あ、あ、あのっ!」 突然だった。 つっかえながらの必死な声。 振り向けば、目と耳を真っ赤にした(らん)さんと視線が合った。 あ……大丈夫かな? またギョッとされるかな? また目を反らされるかな? それともすぐに後ろを向いちゃうのかな? そう思っていたのに……繊細すぎる先輩霊媒師は、唇をワナワナさせながらも頑張って僕を見続けていた。 「どうしたの?」 なるべく自然を装って返事をする、と。 (らん)さんは浅い呼吸で、ひっきりなしに息を吐いた。 僕を見て、キーマンさんを見て、俯いたかと思うと上を向き、自分の頬をペチペチ叩く。 顔はもう泣きそうで、しばらく黙った後、意を決したように口を開いた。 「お、岡村さん、ボクと、さ、さ、さ、作戦会議をしよう。ほ、本当は、キーちゃんが、スリーマンセルの、リ、リーダーだし、ボクが、で、出しゃばるの良くないけど、でも、こ、ここからは、クマちゃんと、直接対応する、ボ、ボクと岡村さんで、話した方が、い、良いと思うんだ、……そ、それで、ボクは……た、頼りないだろうけど、い、一応、先輩だし、ちゃんと作戦、立てて、お、岡村さんを、ま、守りたいの。……しゃ、社長と、ジャッキーさんと、や、弥生さんが……ボクに、そうしてくれたように、」 声……めちゃくちゃ震えてるな。 こんなに狭い小屋の中、至近距離で目を合わせて会話する。 これが(らん)さんにとって、どれだけ大変な事か。 なのに……この子は作戦会議がしたいと言った。 先輩だから、自分もそうされてきたから、だから僕のコトも守りたいと言ったんだ。
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