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「すごいねっ!」
と、まだほんのりと幼さが残る顔で僕を見る嵐さん。
てか今、ガッツリ目が合っているんだけど、キャーキャー言うのに忙しそうで、本人気付いてないみたい。
そういや、さっき、バッドベアーから逃げる時もそうだったかも。
テンパってたから目が合ったのに、ギョッともしないで言葉を交わして走って逃げた。
これ……こういうのをうまく使えば……もしかして緊張するのを減らせる事が出来るんじゃないか?
ま、これは斎藤様の現場が無事終わったら改めて考えよう。
「キーマンさん、そろそろ行ってきますね」
印は完璧、霊矢は発動中。
あとは作戦通り、遠戦担当の僕が距離を取って霊矢を放ち、バッドベアーの霊力をゴリゴリと削る。
その結果、あの巨大クマが低血圧の女の子みたいになったら……一旦霊矢を止めて、嵐さんにバトンタッチするんだ。
そうなれば後半、接近戦担当の嵐さんが、滅さずにクマを拘束してくれる……予定。
てか嵐さんって、接近戦タイプだったんだな(本人申告)。
わぁ、なんだろ、イメージ沸かないわ。
だって僕と同じ匂いがするもの。
平和主義で大人しく、これまでの人生で、誰かと喧嘩なんてしたコトがないって感じ。
最初聞いた時はダイジョブかな……って心配になったけど、さっき言ってたもんな。
ネットダイブスキル習得の為に半年間、社長と格闘技の修行をしたって。
社長はなんたって、元プロレスラーのご両親を持つ、戦闘サラブレッドなのだ。
そんな社長直々に修行をつけてもらった嵐さんなら、きっとスゴイ戦いを見せてくれるはず。
ああもう、大船に乗った感がハンパないよ。
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