第十八章 霊媒師 深渡瀬 嵐(ふかわたせ らん)

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『……おい、オマエ。コイツに伝えろ。変なしゃべり方するなって。それと……るりに会いたいかって? 会いたいに決まってんだろ。……な、なぁ、コイツの言うマスターレベルの霊媒師って……オマエの事か? それともそっちのオレンジ髪か?  どっちだっていい ……ほ、本当に(ココ)から解放してくれるのか……? もしそれが本当なら……オレはるりを探しにいきたい……るりに会えるなら、みどりなんかどうだっていい……けど……やっぱりだめだ……だってるりの髪は残り僅かだ。なくなれば今みたいには動けない。……クソォ……こんな霊体(からだ)じゃあ、遠くに行ったるりを探しに行けない……はぁぁ』 僕に抱っこされながら、キーマンさんにクレームをつけたあと、”るりを探しに行けない”とシオシオと萎れてしまった。 そんなチビクマがかわいそうでならなかった。 髪が底をついたらどうなってしまうのだろう。 魂は残るだろうけど、お姉さまと暮らしていた時のように、覚醒しきれない意識で夢の中にいるような、そんな状態に戻ってしまうのだろうか? 今みたいに知を持って話が出来る、それでいて不機嫌なオジサンではなくなってしまうのだろうか?(けっこうオジサンキャラが好き) 女の髪には霊力(ちから)が宿る、チビクマは霊力(ちから)でもって自由に動く(行動範囲に制限はあるけれど)。 …… ………… それなら……その足りない霊力(ちから)を補ったらどうだろう? 「ヘイ! チェリーボーイ! バッドベアー(やんちゃなくま)はなんて言ってる? シスターに会いたいと言ってるか?」 ハリーアンサーッ! とワクテカ顔のキーマンさんに、通訳よろしくこう答えた。 「あ、えっと……はい、言ってます。それとキーマンさんのしゃべり……あー、うん、コレはいいや、なんでもないです。とにかく、チビクマはお姉さまに会いたいと強く願ってます。ただ……問題があって、(ココ)から解放したとしても、その後活動するだけの霊力(ちから)が足りません……髪が底をつけば動けなくなるんだ……それで、そのコトなんだけど、僕に考えがありまして……」 「ホワーッツ?」 「岡村さん?」 首を傾げるキーマンさんと(らん)さんに「少し待ってね」と伝えつつ、僕はチビクマを下におろすと、両手を向かい合わせ精神を集中させた。
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