第十八章 霊媒師 深渡瀬 嵐(ふかわたせ らん)

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「ハッハーッ! ザッツ グレーーーーートッ(良かったなぁ)! ヘイ、バッドベアー(やんちゃなくま)! これでシスターに会えるな! but、ベアーはシスターがどこにいるのか知ってるのか? 俺は知ってる! みどりから聞いたんだ、トキオタウンにLiveing(住んでいる)って! ジャスト ライト(丁度いい)、俺達はこのジョブ(仕事)が終わったら東京に帰る、だからトギャザーすればいい! オッケイ? アンダスターーーン?」 僕の説明を聞いたキーマンさんは、視えないクマに一緒に行こうと誘いをかけた。 おぉ、いい考え! チビクマはお姉さまを探すというけど、キーマンさんの言う通り、広い東京で当てずっぽうにあたって見つかる訳がない。 事情を話して斎藤様からお姉さまに連絡をつけてもらおう。 それで、東京のどこかで待ち合わせて、チビクマに会ってもらうんだ。 「そうだよ、一緒に車で行こうよ。お姉さまのところまで送ってあげる。陰から顔を見るだけじゃなくて縫いぐるみ(本体)で会うんだ。十年振りで驚くかもしれないけど、僕達がちゃんと説明する。そうすれば昔みたいに一緒に暮らせるよ」 チビクマは僕の話に最初こそ喜んだものの、後半はどんよりと肩を落としてしまった。 『縫いぐるみ(本体)で会う……? 何を言うんだ、そんな事は出来ないよ。さっき見たじゃないか。本体はグチャグチャでドロドロ。るりを怖がらせてしまう、……オレはるりに嫌われたくないんだ』 「ん……それは……確かに汚れてるかもしれないけど……で、でも大丈夫だよ。ホラ、キレイに洗って乾かして、それで」 『誰がそれをするんだよ。あんなの(・・・・)、誰も触りたいと思わない。泥と雨水と十年分の汚れでいっぱいだ。それだけじゃない。腹は裂けてるし、劣化も激しい。ところどころ穴も開いてる。洗ったくらいじゃどうにもならないよ……オレはゴミみたいなもので____』 チビクマはここで言葉を止めた。 目線がキーマンさんに釘付けで、時が止まったように視つめていた。 そのキーマンさんはというと「ヒャッハー!」と叫びながらダッシュして、何かを抱えて戻ってきた。 それはチビクマの本体だった。 さっき、木の下においておいたのを持ってきたのだ。 服が汚れるのも構わずに、大事そうに胸に抱いている。 「キャサリン! チェリーボーイ! ビッグラッキー! アーーンド、バッドベアー(やんちゃなくま)! そうと決まればトゥギャザーゴーホームだ! おっと、縫いぐるみ(コイツ)は俺に任せてくれよ? 泥だらけでずいぶんとワイルドだが、最高のプリティベアーに戻してやる! 俺のアパートメントで、レッツハッピーバスタイムだ!  Don't worry(心配するな)、この程度のリペアー(修復)なんてイージービクトリー(楽勝)だっ!」 キーマンさんはそう言ってキラッと歯を光らせたのだ。
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