第十八章 霊媒師 深渡瀬 嵐(ふかわたせ らん)

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そうね、確かに縫いぐるみはグチャグチャのドロドロだけど、その修復は、ミリタリープリンセスを造るより簡単そうだ。 なんたってキーマンさんは有名なドール作家さんなのだ。 リペアー(修復)なんて朝飯前、まさにイージービクトリー(楽勝)。 『……この変な話し方のヤツはオレを直すって言うのか……? そんな事……本当に出来るのか……? だってこんなに……』 チビクマは悲惨な状態の本体を視て絶句する……が、(らん)さんがニコニコ笑って言ったんだ。 「ダイジョウブだよ。キーちゃんは器用なんだ。任せておけばキレイにしてくれる。お姉さまに会う前に、おめかししてもらうといいよ」 『ほ、ほんとか……? ほんとうにむかしみたいにキレイにもどるのか……? るりは怖がらない……? るりの部屋を汚さずにすむ……? またるりと暮らせる……?』 「もちろん戻るし、お姉さまとも暮らせるよ。心配しないで、キーちゃんはウソをつかない。それにとっても優しいんだ。ボクもね……いつも助けてもらってる。だからボク達と一緒に行こう。絶対にお姉さまに会わせてあげるからね」 (らん)さんは言いながら、超高速で印を結びはじめた。 ほどなくして、手の中に電気で構築した小さな花を出現させた。 色はオレンジ、その花をチビクマの胸に飾る。 『オレンジ頭……なんだこれは。オレは男だぞ、花なんて……花なんて……いや………花か………昔……るりもよく部屋に飾っていたな……懐かしいよ……アリガトな、』 「うん」 優しく答えた(らん)さんを、社長とジャッキーさんが視つめていた。 そして、 『ジャッキー、(けえ)るか』 『そうね。帰って一杯やりますか』 屈強な男達は楽しそうな笑顔で(らん)さんの中に消えていく。 さあ、僕達も行こう。 まずは斎藤様の元へ。
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