第十八章 霊媒師 深渡瀬 嵐(ふかわたせ らん)

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「じゃあ俺達はゴーホームだ! みどり、また会えるといいな! その時はジョブじゃなく、フレンドとしてだっ! それまでグッバーイ!」 キーマンさんの運転する社用車が滑るように走り出し、バックミラーに映る斎藤様が小さくなっていく。 チビクマ改めルミちゃんは、ずっとはしゃいだままだ。 まぁ、無理もない。 『るりー! るりー! るりに逢えるー!』 って、あはは、子供か。 (らん)さんはスマホを取り出し、ルミちゃんを視ながらなにやら熱心に画面をなぞっているのだが……ダイジョウブ? 酔わない? ナニしてんだろ? 誰かにメールでもしてるのかな? もしかして彼女さんとか? きゃー! だとしたら話しかけるなんてヤボだけど、気になっちゃって結局声をかけた。 「(らん)さん、なにしてるの? もしかしてぇ、彼女さんにラブメッセ?」 『うっなーん?』 僕と大福は興味津々、だけど予想は外れてた。 耳を真っ赤にした(らん)さんが顔を上げ、 「チ、チガウよ! ボク……彼女なんていないもん! あのね、ルミちゃんの絵を描いてたの。キーちゃんにルミちゃんは視えないでしょ。キレイにしてあげるのに、元の姿がわからないと出来ないなぁって。だからコレ、お絵かきアプリで描いてたんだ。まだ仕上がってないけど……こんな感じ。似てるかなぁ?」 と画面を僕に向けたのだが……ナニコレ! 「ちょ! そっくり! フワフワの質感とか完全再現! てかうまくない? イラストっていうより写真みたいだよ! そういえばジャッキーさんも絵かうまかったんだよな。写真みたいに描いてた」 本当にびっくりした。 時間もそんなに経ってない、サササと描いてこのクオリティ? ジャッキーさんといい(らん)さんといい、すごいな。 「良かった。じゃあこれを仕上げてキーちゃんに送れば、修復の資料になるね。……あ、あとね、ジャッキーさんに絵の描き方というか……コツを教えたのはボクなんだ。ボク……ゲーム会社出身だから、キャラとか背景とかアクセサリとか……イラスト描く機会が多かったの。ジャッキーさんは描きたい人がいたみたいですごく頑張ってた」 「マジか……じゃあ、あのマジョリカさんの写真みたいなイラスト、(らん)さんに習って描いたんだ……てか、あのオジサン、愛の為なら努力を惜しまんな」 感心して独り言ちる僕に(らん)さんは、 「そ、それで……もしよかったら、こ、今度一緒にゲームしない?」 とモジモジしてるのだが……え、今、(らん)さん。 僕を誘ってくれた? それって……僕達の距離が縮まったと考えていいのかな? 「ぜひっ! いつにする? 場所は? 僕んち来る? 一人暮らしだから気がねないよ! あー! でもな、気兼ねもないけどゲーム機もないや! (らん)さん、持ってきてくれる? あとゴハンどうしよう! てか作る、作って待ってる! なんだったら泊ってく? それか一緒に住む?」 あらやだ、嬉しくてガッつきすぎたよ! (らん)さん引くかな、引くよな、どーしよ! やっぱりやめたとか言われたら!
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