第十八章 霊媒師 深渡瀬 嵐(ふかわたせ らん)

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すごくなーい? な感じに大威張りなルミちゃんだが……はぁぁ、なんだよ。 自作自演かぁ……人騒がせというかなんと言うか。 それにしても……この自演といい、呪いのセリフといい、妙に凝ってるよねぇ。 『ん? そうかな。るりはホラー映画が好きだったから、オレも一緒に部屋で見てたんだ。ああいうのって、お化けに襲われギリギリで助かるってシチュエーション多いだろ? 覚えてたから真似したん。それと、みどりに言ったセリフの大半は映画の中に出てきたヤツだよ』 サラっと答えたルミちゃんは、なんだか得意げだ。 てかマジかー、さすがは双子さん。 姉妹揃ってオカルト好きだったのね。 すこぶるハードな呪いのセリフ、映画を真似したなら気付きそうなものだけど……聞けば、お姉さまは日本のホラー、斎藤様は外国のホラーが好きで、見る映画(モノ)が違ったんだって。 だからわからなかったのね。 なぁんだ、カーズベアー(呪いのクマ)も、種を明かせばぜんぜん怖くないじゃない。 『そんなコトより! 東京へはあとどのくらいで着くんだ?』 ルミちゃんはウッキウキだ。 それとさっきからキーマンさんのスマホがガンガン鳴っている。 (らん)さんが頼まれてキーマンさんのスマホを見ると、お姉さまからのショートメールが何通にも渡って届いていた。 文面はルミをどうぞよろしくお願いします、連絡をいただければいつでも迎えに行きます、というもので、それをクマに伝えるとオイオイと泣き出した。 『うわぁん! るりー! 待っててなー!』 そこになぜか大福も加わって、ルミちゃんにくっつくと『うなーん! うっなーー!』と大騒ぎだ。 てか可愛い! フワフワがフワフワと寄り添って……萌え死ぬわ! (らん)さんは、そんなフワフワズを視ながら一心不乱に絵を描いてる。 「(らん)さん。その絵、完成したら僕にも送って。待ち受けにするから」 「了解、待ってて。気合入れて描くからねっ!」 「なんだよ、なんだよ、キャサリン、チェリーボーイ、俺を仲間外れにしないでくれよ! オールウェイズトギャザーだ!」 『るりー! 大好きー!』 『ひでみー! ハッ! ゲフンゲフン! うっなー! うななー!』 「え゛っ!? 今大福、僕の名前呼ばなかった!? 呼んだよね? 聞き間違いじゃないよね? お願いー! もう一回呼んでー!!」
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