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すごくなーい? な感じに大威張りなルミちゃんだが……はぁぁ、なんだよ。
自作自演かぁ……人騒がせというかなんと言うか。
それにしても……この自演といい、呪いのセリフといい、妙に凝ってるよねぇ。
『ん? そうかな。るりはホラー映画が好きだったから、オレも一緒に部屋で見てたんだ。ああいうのって、お化けに襲われギリギリで助かるってシチュエーション多いだろ? 覚えてたから真似したん。それと、みどりに言ったセリフの大半は映画の中に出てきたヤツだよ』
サラっと答えたルミちゃんは、なんだか得意げだ。
てかマジかー、さすがは双子さん。
姉妹揃ってオカルト好きだったのね。
すこぶるハードな呪いのセリフ、映画を真似したなら気付きそうなものだけど……聞けば、お姉さまは日本のホラー、斎藤様は外国のホラーが好きで、見る映画が違ったんだって。
だからわからなかったのね。
なぁんだ、カーズベアーも、種を明かせばぜんぜん怖くないじゃない。
『そんなコトより! 東京へはあとどのくらいで着くんだ?』
ルミちゃんはウッキウキだ。
それとさっきからキーマンさんのスマホがガンガン鳴っている。
嵐さんが頼まれてキーマンさんのスマホを見ると、お姉さまからのショートメールが何通にも渡って届いていた。
文面はルミをどうぞよろしくお願いします、連絡をいただければいつでも迎えに行きます、というもので、それをクマに伝えるとオイオイと泣き出した。
『うわぁん! るりー! 待っててなー!』
そこになぜか大福も加わって、ルミちゃんにくっつくと『うなーん! うっなーー!』と大騒ぎだ。
てか可愛い!
フワフワがフワフワと寄り添って……萌え死ぬわ!
嵐さんは、そんなフワフワズを視ながら一心不乱に絵を描いてる。
「嵐さん。その絵、完成したら僕にも送って。待ち受けにするから」
「了解、待ってて。気合入れて描くからねっ!」
「なんだよ、なんだよ、キャサリン、チェリーボーイ、俺を仲間外れにしないでくれよ! オールウェイズトギャザーだ!」
『るりー! 大好きー!』
『ひでみー! ハッ! ゲフンゲフン! うっなー! うななー!』
「え゛っ!? 今大福、僕の名前呼ばなかった!? 呼んだよね? 聞き間違いじゃないよね? お願いー! もう一回呼んでー!!」
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