第十九章 霊媒師 入籍

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◆ 「「「いただきます」」」 心配するマコちゃんを振り切って、朝ごはんを作ることに成功!(簡単メニューだけど) テーブルには焼いた鮭と納豆と、それから今朝の卵は目玉焼きにした。 あとはてきとうに昨日の残りの肉じゃがとお漬物。 お味噌汁にお豆腐を入れたのは、もちろんタンパク質が豊富だから! 「あぁ、おいしい! ユリちゃんのゴハンは最高だ。味もおいしいし盛り付けもきれいだもの。誠だとこうはいかない。やっぱり女の子はいいねぇ」 鮭を一口、ごはんも一口、だけどその一口が大きいお義父さんは褒め上手。 ニコニコ笑って、ただの焼き鮭をいっぱい褒めてくれる。 こんなに褒めてもらえると、恥ずかしい反面、料理をするのが楽しくなるの。 もっと頑張っちゃおうかなぁなんて、張り切ってしまう。 「なんだよ、盛り付けなんて腹に入りゃ一緒だよ。あ、ユリ、醤油取ってくれ。大体よ、親父だってちょっと前まで、なんでもかんでも大皿にのっけてたじゃねぇかよ。それがなんだ、引退して料理教室なんぞ通い始めて変わったんだよな。やれ味付けがだの、盛り付けがだの、こだわり始めてよ。ま、ウルセェなって思うけど、旨いモン食わしてもらえるから良いんだけどよ。あ、鮭ウマッ! 焼き加減最高だな!」 大きな口でモリモリ食べてくれるマコちゃんも褒め上手。 なんでもないゴハンをおいしいおいしいって食べてくれる。 でもね、本当は知ってるんだ。 お義父さんとマコちゃん、私なんかよりもっともっと料理が上手だってコト。 マコちゃんが小さい頃から父と子だけで暮らしてきたんだもの。 料理も掃除もなんでも協力し合ってきたから、二人とも家事スキルが高いんだ。 私は……婆ちゃんが生きてた頃に料理を教えてもらったけど、すごく上手ってほどじゃない。 やっと基本がわかってきて、もっと教えてもらいたいって時に死んじゃったんだもの。 だから食材を無駄にしない程度の腕しかない。 なのに…… 「うんーっ! ユリちゃん、味噌汁もおいしい! 今朝の出汁は……煮干しかな? お、当たり? やった! 煮干しはいいよね、コクがあって深みがある。しかも具はタンパク質豊富な豆腐だなんて筋肉を理解してる証拠だよ。そうだ! 次回の【大和のマッスルクッキン!】は味噌汁特集にしようかな。 誠、ソース取ってくれ。目玉焼きにかけるんだ」 あ、お義父さんのお料理チャンネル! 岡村さんも見てくれたって言ってた! すごく人気があるんだよね。 海水パンツにエプロン姿で料理するのが良いってコメントいっぱい入ってたもん! 「だーーーーっ! 親父まだソースかけてんのかよ! 目玉焼きには醤油だろうがぁ! ほれ醤油! こっちの方がウマイから!」 「はぁぁ……わかってないのは誠だろ。醤油はいらない、ソースを取ってくれ」
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