第十九章 霊媒師 入籍

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ファミリーか……社長と同じ事を言うんだな。 話し方は個性的だし、服もピアスも派手な感じで圧倒されたけど、今は大丈夫。 キーマンさんの優しさにホッとして、むしろこの話し方がクセになってしまいそう。 それに…… ____もしかしてバービーはシャイガールなのか?  ____OKOK、ノープロブレム(問題無し)、 ____シャイでもハイでもどっちも個性だからな、 ありがたいです。 モジモジの人見知りで、うまく話せなかった私を呆れるでもなくイライラするでもなく、内気だっていいんだよって言ってくれたんだもの。 社長と岡村さん、それから先代以外で初めてお会いする社員の方がキーマンさんで良かった。 …… …………うん、思い切って言ってみようかな、 「キーマンさん、社長からもお話があったと思うんですが、もしよろしければ……交通費の精算、初めてで遅いかもしれないけど、私に処理させてもらえますか?」 「Oh! イエッス! イエッスイエッス! もちろんリリィにお願いするさ! なに、焦らなくていい。俺は明日から代休と公休を含めワン ウィーク(一週間)ホリデー(休み)になる。だから交通費の精算は……そうだな、7日後までに終わればノープロブレムだ!」 グッと上げた親指にはおっきなシルバーリングがついている。 キーマンさんは外国の俳優さんみたいだな。 リアクションが大きくて、おしゃれで派手で、でもそれがサマになるの。 それにしたって…… 「ふ……ふ……ふはははは! さすがに7日はかからないと思います。でもそう言っていただけると気持ちが楽になっちゃいました。ありがとうございます。私、頑張りますね!」 力が抜けて、焦りもなくなった。 私は机に出したままのノートを手に取り、”交通費精算”のページを開く。 すると……不思議だ。 あれほど文字が頭の中に入ってこなかったというのに、今はスルスル入ってくる。 社長はまだ戻ってこないけど、一足先にやってみよう。 時間がかかっても大丈夫。 なんたって、7日後までに終わらせれば良いんだから。
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