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なんで……光ってるの……?
急にペンダントが熱くなって……言霊、唱えてないのにって……不思議に思って……それで……それで……手を広げたら……赤く光っていた。
訳がわからなくて、だけど綺麗だなぁって眺めていたら、一緒に視ていた菅野さんも目を丸くして覗き込んできたの。
『……”株式会社おくりび” 、思い出したよ。おたくの社長さん、よくうちのコンビニを利用してくれるんだ。こう髪を剃り上げた身体の大きな方だよね。うんと前にチラっと聞いたコトがある、おくりびさんは普通の会社じゃない、祓い屋さんなんだろう?』
目を細める菅野さんと近い距離で目が合って、光に照らされた顔は赤みが差し、一瞬、生きている人に視えた。
『だから私の姿が視えるのか……だからこんな事が出来るのか……すごいなぁ……私、こんなの視るのは初めてだよ。ああ……キレイだなぁ……それにとっても温かくて気持ちが良い……胸の痛みが……和らぐいでくる……ふぅぅ、』
菅野さんはとうとう目を閉じ、眉間のシワから力を抜いた。
赤い光が温かくて、焚き火みたいだねと両手をかざし炙っている。
へ、へんなの。
光は確かに温かいけど、菅野さんがあたっているのは焚き火じゃない、私なんだもの。
『あぁぁ、本当に楽になる。藤田さん、しばらくこうしててもいいかい?』
私で手をあぶり続ける菅野さんに「は、はい」しか言えない。
なんかちょっと恥ずかしい……でも、これで痛みが和らぐのなら、どうぞあたっていてくださ、…………ん?
痛みが和らぐ……?
本当に……?
……
…………
………………
あったかいから、そんな気がする、
そういうのとは違いそうなくらい、菅野さんは熱心にあたっている。
本当に、傷の痛みが和らいでいるのかもしれない。
そんな事……本当に……ううん、そうだ。
社長が、霊力を貸してくれたんだ。
きっとそう、だってこのペンダントには社長の霊力が込められているんだもの。
これを胸の傷に直接押し当てたら、もしかして治してあげられるんじゃないかな……
「……あの、菅野さん。ちょっと試してみたい事があるんです。もしかしたら傷を治してあげられるかもしれません。……どうかうまくいきますように。
ごめんなさい、ちょっと胸元失礼しますね、」
菅野さんはポカンとしながら私を視ていた。
何をするのかわからないと言った顔で、詳しく説明しようと思ったけど、もし、グズグズしてるうちに、社長の霊力が消えてしまったら……そう考えて、説明は省略させてもらう事にしたの。
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