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わ、わ、わ、私、なに言ってるのーーー!
気持ちは動転して、アワアワして、なにか言い訳をしなくちゃと、息を吸ったのと同時。
「「「なにーーーーーーーーー!?」」」
社長と岡村さんと小野坂さんの声が重なって、私は三人の動揺っぷりにびっくりしちゃって「言っちゃったー!」としか言えなかった。
だ、だって、大変なコトを口走ってしまったんだもん。
さすがにこれじゃあ、社長に気持ちが知れてしまっただろう。
前に思ったもの。
遠回しな言い方では気持ちは伝わらない。
私を恋愛対象に見ていない社長は、保護者の感覚が強いんだ。
だからもしもこの先、想いを伝えるのなら「私と結婚してください!」くらい言わないとダメだろうなって。
ああ……言ってしまった。
社長を見れば汗を浮かべて首をブンブン振っている。
岡村さんと小野坂さんは、キッと社長を睨みながら捲し立てている。
「社長! ユリちゃんは高校卒業したての18才ですよ!? つい先月まで女子高生だったんですよ!? そんな子に手を出すなんて……! このツルピカヘンタイ! ああ! まずいぞ! ヤバイぞ! きっと来る! チェーンソーを持った悪鬼が来る! 悪霊退散悪霊退散……!」
悪霊退散って……ふはは、ど、どうしよ、こんな時なのにちょっとおかしい。
「だ、出してねぇよ! アホか!」
そうですよ!
社長は紳士なんです、そんな事はしません!
で、でも、しゃ、社長となら、て、て、手を繋いだりとかは……したい。
「彼女、若いとは思いましたが18才でしたか。入社したての未成年に破廉恥な……清水、最低!! ケダモノ!! 責任とれ!! シネ! シネ!」
シネ! シネ! って……あ、あれ?
ふ、普通好きな人にこんなコト言わないよね……
あ、あれれれ、小野坂さん、社長が好きなんじゃないの?
わ、私の勘違い……?
「ミューズ誤解だ、本当に違ぇよ! そんなことしたら真さんに顔向けできねぇだろうが!」
私の目の前で三人は、大きな声で延々やり合っていた。
岡村さんは小野坂さんに爺ちゃんの説明を始めるし、小野坂さんはまるでキタナイモノでも見る目で社長を見てる。
その社長は「ユリはまだ18で俺は34だぞ? 犯罪だろ!」と大汗をかいていて……その流れを変えたのは小野坂さんのこの言葉だった。
「……ああ、なるほどね、そういう事ですか。岡村さんは分かりませんか? 結構鈍感ですね。清水の慌てっぷりとユリさんの真剣な目を見ればわかるでしょう?」
小野坂さんに私の気持ちがわかってしまった。
は、恥ずかしいよ。
でも、その顔は無表情で、冷やかす感じでないのが救いだった。
「清水は? あんた薄々わかってたんじゃないの?」
あ……それ私も知りたいです。
ちょっとは気付いていたのかな。
「わかってたって言うかよ、たまに、アレ? って思うことはあったんだ。けどよ、あんな若えのが俺みてぇなオッサンあり得ねぇだろ? いや、まあ、確かにソレを差し引いても俺はイイ男だけどよ、でもなぁ、」
きゃ、きゃあ……”アレっ?” て思うコトがあったんだ……恥ずかしい……恥ずかしいよ。
でも知りたい、どこで思ったの?
ねぇねぇ、どこですか?
恥ずかしくって直接は聞けないかわりに、ココロの中で何度も聞いた。
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