第十九章 霊媒師 入籍

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ありがとね。 大福ちゃんのおかげで力が抜けたよ。 社長は「視ろよ、この腹」と、たゆんなおなかを指でさわって笑ってる。 私も一緒になって笑ってしまう。 緊張はしてるけど、笑ったら少し勇気が出た。 そうだ、最初は私から話そう。 いつも社長に助けてもらっているんだもん。 今日くらいは私が。 すぅっと息を吸い顔を上げ、そして。 「社長、」 思い切って声を掛けた。 大福ちゃんから私へと目線を移した社長が「ん?」と答える。 目が合って、途端、心臓が躍り出す、ドキドキして、手のひらが湿って、ボンッと熱が上がる。 余計な事は言わない。 だって言ったら泣いてしまう。 シンプルに、気持ちだけを伝えよう____ 「____好きです、」 たったの四文字。 私にとって大事な四文字。 伝えたくてたまらなくて、伝えるのが怖くて仕方がなかった”好き”の気持ち。 今、ようやく言えたんだ。 社長は黙って____私を見つめていた。 ★ユリちゃんと社長が庭に出ている間、事務所に残ったエイミーと水渦(みうず)の様子です。 引き続きしばらく平行していきます(*´ω`) https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=424&preview=1
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