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『平ちゃん、若い頃の話は内緒だったの? ご、ごめんね、知らないからちょっとしゃべっちゃった』
白い肌を赤く染めた瀬山さんは、両手を合わせて先代に謝っている。
謝られた先代は、ぷくーっと頬を膨らませてこう言った。
『しゃべっちゃった分は仕方ないよ。昨日、ちゃんと言っておけば良かったんだ。会えたのが嬉しくて言うのを忘れた私が悪い』
若干の落ち着きを取り戻した先代は、眉毛を下げて首を振る。
そして二人は目を合わせ、どちらからともなくふにゃりと笑った。
わぁ、もう仲直りだよ(そもそも喧嘩になってないけど)。
いいなぁ、このコンビ。
視てるとなんだかホワンとしてくる。
でもね、ホワン以上にモヤモヤもしてるんだ。
だって……ねぇ。
「あのっ、先代! ……ですよね?」
一重の切れ長、黙っていればクール系イケメンに声を掛けると。
『うん、私だよ、持丸。ふふふ……岡村くん、びっくりした? いきなり瀬山さんが訪ねてくるわ、私はこの姿だわ……キミには何も話してなかったものねぇ……ふふふふふ。驚かそうと思って内緒にしてたの。ねぇ、こういうの若い子はなんて言うんだっけ? えっと、ほら、アレ、アレですよ、アレ。んと……思い出したっ! サプラーイズ!』
しゃべり始めた途端、先代の”カワイイ”が全開になる。
サプラーイズ! とはしゃぐ顔は、なるほど。
なんとなしに78才の面影が……あるようなないような(どっちだ?)。
「びっくりしたなんてモンじゃないですよ。どうしたんですか、どこをどう視たって十代です。それは瀬山さんもだ。失礼ながら、ご存命なら御年80才でらっしゃいますよね? 最初に聞こうと思ったんだけど……えへへ、それ以上に興味のそそられる話に(主にトンガリエピ)夢中で後回しにしてました。お二人ともどうしてその姿なんです?」
瀬山さんはともかく、78才の先代しか知らない僕は、もう衝撃的でびっくりのアワアワなのだ(しかもイケメンだし)。
僕の質問に先代と瀬山さんは、顔を見合わせしばしの沈黙。
微かに互いに頷き合った次の瞬間、クルっと僕を視た手練れの霊媒師達は口を揃えてこう言った。
『『さてココで問題です。なぜ我々は若い姿なのでしょーかっ!』』
くぅ、そうきたか。
この二人、クイズを出すのが好きだったんだ。
んも、早く理由が知りたいのに。
困った顔の僕を視た先代は、なんだかめちゃくちゃ嬉しそう。
隣の瀬山さんも、笑うのを我慢してるし。
いいでしょう、受けて立ちます。
こうなったらガンガン答えて外しまくって、早いトコ答えを教えてもらいますからねっ!
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