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『大福ちゃん、今回はありがとうねぇ』
僕に抱っこされる猫又を、クールなイケメンが撫でまわす。
うわぁ……この人ホントに先代なのか……?
近くで視るとますますカッコいいのだ。
鋭い目つきはスナイパーを思わせる、なのにしゃべるといつもの先代。
なんなのこのギャップ萌えは、……って、”大福ちゃんありがとう”ってどういう意味?
そういや先代は、どうしても大福の妖力が必要で……って言ってたよな。
この若返りと関係がある?
よし、聞いてみよう。
「先代は大福になにをお願いしたんです? 若返り関連的なものですか?」
『うん、そうなの。霊体の再構築なら、私一人でも出来るんだけど、なんたって今回は再構築だけじゃない。若返った姿を保ったまま、ふんだんに霊力を使わなくてなならないでしょう?』
ん……?
ん、ふんだんに霊力を使うの……?
なんの為に?
『若い霊体で、お茶でも飲んでおしゃべりするだけならね、私の霊力だけで十分足りるんだけど、霊力を使って戦って、なおかつ、数日間ぶっ通しで若い霊体を保たなくちゃならないとなると……ふふふ、ちょっと足りないかもなぁって』
ん? ん? ん?
霊力を使って戦う?
数日間ぶっ通し?
ちょ、なに言ってるかわからないんですけど。
『それで大福ちゃんにお願いしたの。足りなくなりそうな霊力を、大福ちゃんの妖力で補ってって。大福ちゃんはすごいよねぇ。霊力じゃなくて妖力だからさぁ、チカラの強さが桁違いだもの。しかも昨日、尻尾が一本増えたじゃない。三尾の猫又なんて、そりゃあもう、とんでもない妖力に、』
「えっ! ちょっと待って! 話の途中でごめんなさい! 今、大福の尻尾が増えたって言いました? ハニー、ちょっとオシリ視せてね!」
先代のお話にイマイチついていけない僕だったけど、大福の尻尾が増えたってのはわかった!
てか、ぜんぜん気付かなかった!
ただでさえカワイイ尻尾が一本増えたって、大ニュースじゃないの!
抱っこの猫又を腕の中で半回転。
目の前にキュートなオシリがくるように抱きなおすと……
「わぁっ! ホントだ! 尻尾が……尻尾が三本になってるーーーっ!」
しかも今回、三本の尻尾はオシリの根元からちゃんとわかれていたんだ。
今までの二尾はオシリからは一本で、途中、Yの字に裂ける形だったのにっ!
「大福……すごいよ……このお得感! フッサーな尻尾が三本も! フッサーが三倍! 通常の三倍!」
『うなぁ? うなぁん』
目の前には揺れる三尾、カワイイお顔は視えないけど、きっと今、大福は得意な顔をしてるに違いない。
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