第二十章 霊媒師 瀬山 彰司

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____なんてこった……いくらエイミーさんの霊力(ちから)が強くても、おしゃべりだけじゃあ、ほとんど付着してないだろうなぁ。困った、どうするか…… 「な、なんかごめんなさい。ああ、僕はマヌケだ! わかっていたら、放電しまくったのにぃ!」 ____いや、こんな事になるとは思わなかったんだ。これは仕方ないよ。しかしどうするか……ん……ヨシ! 切り替えていこう! 時にキミは体力はある方かい? 要は視付ければいいんだ。こうなったら体術だよ。67ヶ所の山を生身の身体で登ればいい。どう? シンプルで良い考えじゃない? 「えぇ! 67ヶ所全部!? や、無理! ごめ 、それマジ無理! 修行の前に僕が死者になっちゃうYO!」 ___ははは、だよねぇ、冗談。そんなの自分だって無理だもの。うーん……どうしようねぇ。あ、そうだ。ダメ元で聞くけど逆にさ、先代がキミに放電してたりしない? 同一人物の霊力(ちから)がA地点とB地点にあればいいんだもの。それがエイミーさんのでも先代のでもかまわない。ゆえに先代の霊力(ちから)がエイミーさんに付着してるパターンでも探せると思うんだ。 「や……えっと……重ね重ねごめんなさい。ないですね。先代、終始おしゃべりに全力でしたから」 ____そっかぁ、じゃあダメだろうなぁ。んー、もうさ、いっその事キミの代わりに自分が探すってのはどう? あんまり先代を待たせるのもなんだし。 「うぅ……めちゃくちゃそうしたいけど……ダメです! そういう訳にはいきませんよぉ。それじゃあ修行にならないし、たとえ内緒にしたとしてもすぐにバレちゃう。僕、そういうのすぐ顔に出るもん。そもそも相手は手練れの霊媒師コンビだ。しかも一人は“伝説の霊媒師”と呼ばれる瀬山さんだし、秒でバレます」 ____ん? んん? んんんー? 今……”伝説の霊媒師”って言った? もしかして……先代と一緒にキミを待ってる瀬山さんって、あの(・・)瀬山彰司さんのコト? えぇ!? そうなんだ! 自分ももちろん知ってるよ! 瀬山さんは霊力(ちから)が強いのはもちろんだけど、技術も武術も交渉術も、すべてにおいてマスターレベルの方だと聞いた! そんな人に教えてもらえるの? 凄いじゃない! ねぇ、瀬山さんってどんな感じの方? やっぱり厳しい方? 威厳たっぷりな感じかい?
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