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と、ここまで脳内で復習したところで、さっそく作業に取り掛かろうと思う。
「大福、手順は説明した通りだよ。ヘマしないように頑張るけど、もしも僕がしくじったら助けてね」
三尾の猫又は頼りない下僕の願いに『うなっ!』と可愛く返事をしてくれた。
ありがとね、頼りにしてるからね。
では……いつものように。
深く息を吸い、長く吐いた。
気持ちを落ち着かせ、僕は両手を湾曲させて向かい合わせる。
そしてこれからどうしたいのか、心の中で強く念じたんだ。
瀬山さんの貴重な霊力、
欠片も無駄にする事なくすべて集めて塊にしたい!
今の僕にはとってもそれが必要なの!
霊力よ、僕を助けて!
手の中に眩い光が生まれる。
大福と同じ雪色で、ほんわりと温かい。
霊力が溜まれば溜まるほど、まるで温泉に浸かっているような心地よさに包まれた。
昨日はたっぷり寝たはずなのに、途端眠たくなってくる。
癒しの霊術かぁ……誰かにかけた事はあっても、自分がかかるのは初めてで、あぁぁ……こんなに気持ちの良いものだとは思わなかった。
疲労、腰痛、眼精疲労、それらが薄くなっていく。
僕はぽわんとしながら目を閉じて、しばらくは大人しく、白い霊力に包まれながらジッとしていた。
時を待てば、付着の霊力は白い霊力をつなぎにまとまるはずだ。
うん、ここまでは順調だ。
そりゃそうか、霊力を溜めて、中に包まれ、大人しくしてるだけだもん。
勝負はこの後。
瀬山さんの霊力がちゃんと塊に変わったら、僕を包む白の霊力を解除する。
その瞬間、おそらく塊は、勢いよく宙を飛ぶ。
そう、瀬山さんの所に戻ろうとするんだ。
ジャッキーさん曰く、
後を追えるスピードではない、だから逃さず捕まえるんだ。
見失ったら最後、二度と視付けられない。
素早く、優しく、霊力じゃなくて手で捕まえて。
乱暴に扱えば、止める事は出来ても飛散するからね。
絶対につかまえる。
閉じた目を開ければ、瀬山さんの霊力は、着々と塊への再構築を始めていた。
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