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成功イメージもバッチリだ。
大丈夫、いけるはず。
もしダメでも一人じゃない、僕には頼れる猫又、大福がいる。
「よし、いくぞ、いくぞ……そいやぁっ!」
僕なりの気合いをいれて、両手を上下にグイッとずらした。
すると包んでくれてた雪色が薄くなり霧となって消えていく。
解除が始まった、ここからは時間勝負。
僕はずらした両手をすぐに戻した。
塊は手の中にいてくれて、予想に反して大人しい。
だからと言って油断はしないぞ。
気を抜いた途端、ビュンッと飛んで行ってしまうかもしれ、
グィッ!!
ビュンッ!!
え、えぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!
気ぃ抜いてないのにぃぃぃぃぃぃ!!
塊は確かに手の中にあった、力を込めて、両手で、確保してたはずだった。
だけど、塊は僕以上の力でもって、両手をこじ開け宙に飛んだんだ。
「大福ぅぅぅぅぅっ!!」
頼れる猫又は、呼んだ時にはもう地を蹴っていた。
視上げた空には、丸いオシリとそこから生える三本の尻尾が優雅に揺れて、塊を追った大福はグングン高度を上げていた。
それに伴い、猫の霊体が小さくなっていく。
僕は祈る気持ちで視ていた。
塊を持って帰ってきてほしい。
でもね、無理はしなくていい。
もしもなんらか危険があれば、塊なんか放っておいて、すぐに戻ってきてほしい。
空に大福の姿も塊も視えなくなり、しばらくたったあと。
そろそろ心配になってきた頃だった。
高い位置からふわりふわりと僕に向かって降りてくる大福を視た。
「大福っ!」
たまらず叫んで名前を呼ぶと『うな』の一言も返さない猫又が、なにやら得意げな顔をしている……って、返事、返せないはずだ。
だってちっちゃなお口には、んもーマーベラス!!
霊力の塊をしっかり咥えているんだもの。
さ、さすがだぁ!
さすがは大福先生だぁ!
元気に嬉しそうに塊を持ち帰る猫又を、僕は両手を広げて迎え入れた。
「大福ぅ、ありがとう、本当にありがとう。また助けてもらちゃったねぇ。あとでおやつあげるからね、それから家に帰ったらささみも茹でてあげる、なんでも好きな物食べさせてあげるからねぇ」
もふもふボディをギュッと抱きしめ、頭頂部に頬ずりをすると、ゴロゴロゴロゴロ、ゴキゲンで喉を鳴らす大福姫。
ああ、幸せだなぁ……湧き上がる愛しさ、塊を確保した安堵感。
そう、この時僕は、そして大福も完全に気を抜いていた。
抱っこの猫又が僕に塊を渡そうと、ちっちゃなお口をパカッと開けた。
本当なら、僕の手のひらにペッと落ちるはずだった。
だけどその瞬間、塊は再び宙を飛んだのだ。
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