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『そうなった時、霊力の再構築が出来れば、戦いは有利に運べる。これも平ちゃんから聞いたのだけど、岡村さんは霊矢を使うんだよね?』
「そうです。ただ……まだ覚えたばかりで、命中率が低いんです。悪霊達がいっぱいいれば、当てずっぽうに撃っても誰かしらに当たるけど、相手が一人とか少人数だと避けられちゃいます……というか、まるで当たりません」
『そっか、それならなおさら再構築の技術が必要だ。岡村さん、ちょっと後ろに下がって私と離れた所に立ってくれる? そう、そう、そのくらい』
なんだろう?
なにをするの?
頭にハテナマークを浮かべながら、師匠の指示に従って、3メートル程離れた場所に立ってみた。
すると瀬山さんは、肘を曲げた片手を上げて拳を作る。
その拳をすぅっと僕に向け、静かに手指を広げたその瞬間。
ゴッッ!!
真珠の色の大な霊矢が僕に目掛けて放たれた。
ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!!
あまりの急さとあまりの恐怖に固まっていると、幸いにも霊矢は僕を外して足元に刺さる。
な、な、な、なに!?
怖いんですがっ!
心臓バクバクいってますがーっ!
僕の狼狽えっぷりとは正反対、涼しい顔の瀬山さんはシステマチックに解説を始めた。
『と、岡村さんが霊矢を外したとする。攻撃は失敗で、キミはきっと次の霊矢を撃とうとするだろう、でも待って。せっかく悪霊の近くに霊矢があるんだ。この位置から霊矢を再構築すればいい、こんな風にね』
瀬山さんらしくない早口で言い終えたのと同時、上げた片手、人差し指を霊矢に向ける、と。
指先から白い触手が鞭のように放たれた。
先の尖るその鞭は、霊矢の表面を突き破り難なく中へと侵入した。
そして形状変化。
尖る先から鋭利な突起が無数生え、師匠が引いても中でギチッと引っかかり、容易な事では抜けなくなった。
これで、瀬山さんと霊矢は繋がった。
さっきの僕と同じ。
触手によって有線接続されたのだ。
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