第二十章 霊媒師 瀬山 彰司

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…… ………… 手短だが濃い話をガッツリ聞いた。 良くも悪くも希少の子、なるほど、霊力(ちから)の使い方がまるで違う。 ”イメージするんだ”という漠然とした説明ではわからなかった事が、今ならスルリと理解できる。 こんな事なら最初から説明してくれたら良かったのに、僕が瀬山さんにそういうと、『……ああ、そうだね』と黙り、それ以上話は広がらなかった。 まだ……なにか話して無い事があるのだろうか? 僕がそこに食い下がるも、術の習得が先だろう? と逃げられてしまった。 いいや、後で、悪霊達をすべて滅したら、改めて聞いてみよう。 とにかく。 再構築は不可能だとへこみ自信をなくしていたけど、僕は俄然やる気を取り戻し、鬼の師匠に必死に教えを乞うたんだ。 それから____ 訓練は僕が意識を失いぶっ倒れるまで続いたのだが、どうやらそのまま寝かされていたらしい。 そして空が白む夜明け、眠らない瀬山さんに起こされた。 『平ちゃんが待ってる、行こう』 はい、と返事をし、ふらつきながら立ち上がる。 全身が痛い、身体がバキバキだ。 僕は自分自身に癒しの霊力(ちから)を使い、そして瀬山さんを視た。 彼は僕に向かって微笑むと、タンと小さく足を鳴らす。 直後、緩やかな山肌が消失し、代わり、終わりの視えない平地が広がって…… 驚きで声が出なかった。 なにがどうしてこうなるのか、地形までも変えてしまうのか、それとも此処は瀬山さんの、もしくは悪霊達のフィールドなのか。 それを問うため息を吸うも、瀬山さんは黙ったまま前を向き地を進む。 「待って、」 僕は慌てて、聞きたいことは後回しに、薄い背中を追いかけたのだ。
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